2023年6月10日に、LinuxディストリビューションのDebianの安定版Debian 12(コードネーム "Bookworm")がリリースされました。
かねてからWindows 11に非対応とされた「LIFEBOOK U937/R」の使い道について考えていた時に、ある程度スペックの良いPCでLinuxをメインOSにすることを決めて、ではどのディストリビューションにするかを迷った挙句に行き着いたのがDebian 12ということです。
Debian 12にした主な理由は、debianというよりはubuntuディストリビューションに触れる機会が多かったことと、実際にVirtulBoxなどで体験したときの印象が良かったからです。
今回Debian 12にする「LIFEBOOK U937/R」のスペックは以下の通りです。↓
LIFEBOOK U937/R | |
OS | Debian 12 |
CPU | Core i5-7300U (CPU Mark 3703) |
メモリー | 12GB(4GB+8GB) |
ストレージ | NVMe SSD 512GB |
無線LAN | 〇 |
有線LAN | 〇 |
無線WAN | 〇 |
SDカードスロット | 〇 |
生体認証 | 指紋認証 |
ディスプレイ | IPS液晶(1920x1080)非光沢 |
バッテリー | 48Wh |
スピーカー | ステレオ |
サイズ | 13.3インチ |
寸法 | 309x212.5x15.5mm |
重さ | 917g |
バッテリー持続時間 | 実使用で約9時間 |
Debian 12にすることに問題となりそうな点は以下の3つありました。
・キーボードは日本語配列で刻印通りに日本語入力出来るか
・Chromeをデフォルトブラウザに出来るか
・Bluetoothマウスを使えるか
結論的には、上記問題点は杞憂に過ぎず完全対応できました。
では実際にDebian 12のインストールについて説明しておこうと思います。
まずはインストールメディアの作成のために、DVDイメージを下記サイトからダウンロードします。
ここからPC/サーバー用のDVDイメージ(64ビット)をダウンロードします。
ファイル名は「debian-12.0.0-amd64-DVD-1.iso」です。
次にインストールメディアをフラシュメモリに作成するために「rufus」をダウンロードします。
ダウンロードした「rufus-4.1.exe」をダブルクリックして起動します。
フラシュメモリのドライブを指定して、選択ボタンからダウンロードした「debian-12.0.0-amd64-DVD-1.iso」を選びます。
BIOSの起動設定をUEFI-USBに変更して起動してインストールを開始します。
Enterキーを押してグラフィカルインストールを開始します。
デフォルトはEnglishになっています。
これをJapaneseに変更して続けます。
キーボードも日本語にして続けます。
ネットワークに無線LANを選択して続けます。
使用しているWi-Fiルーターを選択して続けます。
暗号化方式を選択して、パスワードを入力して続けます。
適当にホスト名を指定して続けます。
ドメイン名を適当に指定して(ブランク可)続けます。
rootユーザーのパスワードを指定して続けます。
ユーザー名を適当に指定して続けます。
ログインユーザー名とパスワードを指定して続けます。
ディスク全体を使用するように指定して続けました。
書込み先のディスクを選択して続けます。
すべてのファイルを1つのパーティションにして続けました。
変更内容を書きこんで続けました。
変更内容を書きこんで続けました。
パッケージマネージャーの参照先はここでは「はい」を指定しました。
パッケージマネージャーの参照先を日本にして続けました。
適当な参照先を指定して続けました。
プロキシはなしのまま続けました。
パッケージ利用調査には参加しないで続けました。
デスクトップはGNOMEではなく「xfce」にして続けました。
インストールが完了したので続けました。
以上でDebian 12の初期インストールは完了で、再起動するとxfce4のログイン画面になります。
インストール時に設定したユーザー名とパスワードでログインして使い始めます。
日本語の表示や日本語の入力に関しては何の違和感もなく使用できますが、このままではchromeのインストールには失敗するし、Bluetoothマウスも使用できないので以下のように対処しました。
Firefoxを起動して、chromeのダウンロードを行いました。
パッケージのインストールは通常では[sudo apt install パッケージ名]で行いますが、今回作成したユーザー「debian」ではsudo権限がないのでターミナルから以下のコマンドでsudoグループに追加しました。
su
ここでrootのパスワードを入力
gpasswd -a debian sudo
exit
その後再起動しました。
次にchromeパッケージのインストールに以下のコマンドを投入しました。
sudo apt install ./ダウンロード/google-chrome-stable_current_amd64.deb
しかし依存関係のチェックで必要なものを参照できないので失敗しました。
これはパッケージの参照先を記述するファイルの中身に問題があるので、以下のように変更しました。
su
ここでrootのパスワードを入力
vi /etc/apt/sources.list
中身を以下のように記述しました。
deb http://deb.debian.org/debian bookworm main non-free-firmware deb-src http://deb.debian.org/debian bookworm main non-free-firmware deb http://deb.debian.org/debian- deb-src http://deb.debian.org/debian- deb http://deb.debian.org/debian bookworm-updates main non-free-firmware deb-src http://deb.debian.org/debian bookworm-updates main non-free-firmware |
Esc
:wq!
exit
その後再起動しました。
念のために以下のコマンドを投入しました。
sudo apt update
sudo apt upgrade
これでchromeのインストールが出来ました。
sudo apt install ./ダウンロード/google-chrome-stable_current_amd64.deb
ついでにゲームもインストールしてみました。
sudo apt-get install gnome-games
最後にBluetoothマウスが使えないので以下のコマンドで使えるようにしました。
sudo apt-get install gnome-bluetooth
sudo apt-get install blueman
その後再起動しました。
これでデスクトップの右上にBluetoothアイコンが表示されるようになって、マウスとのペアリングが出来るようになりました。
今後必要に迫られれば、指紋認証やSIMカードについても挑戦しようかと思っています。
以上のように、
LIFEBOOK U937/RがDebian 12によって、快適に操作できる環境を整えられました。
以上、興味のある人は参考にしてください。